管理 咲く 

実務経験なし 57歳初受験で管理栄養士国家試験に合格しました

2015年05月

◆疫学

厚労省は、コレステロールについて「目標量を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。」と説明しています。この科学的根拠を示すための疫学調査、大変な作業のようです。

疫学とは 
疫学は、健康に関わる要因を明らかにする学問です。
下の表のように、観察研究と介入研究に分けられ、その中にも、いくつかの研究方法があります。

疫学
生態学的研究
たとえば、二つの国で、ひとり当たりのワイン飲酒量と、心筋梗塞による死亡率の相関を比べ、ワインが予防に役立っているか調べる方法です。

横断研究
ある一時点における状況を調査する方法です。
たとえば、ある地域の大気汚染の程度と、喘息の発作頻度の関連を調べるなどです。

症例対照研究
疾病を持つ患者群と、持たない人に対して、暴露状況を調査、比較する方法です。
たとえば、肺がんになった人100人と、肺がんになったことのない人100人を集め、喫煙歴があるかなどを質問して分析します。

コホート研究
特定の集団(コホート)を対象とし、疾病の原因となりそうな要因(喫煙・飲酒・食生活など)を調査します。そして長期間にわたって追跡調査し、最初に調査した要因と、その後の疾病との因果関係を分析します。

無作為化比較試験
予防や治療の効果を評価するための介入研究です。
対象者を、無作為に介入群(予防や治療を実施)と対照群(従来通りや何もしない)とに分けます。一定期間後に、病気の罹患率や死亡率などを比較し、介入の効果を検証します。
ブラセボ剤(薬効成分を含まない薬)が使われたりします。

実施が困難な研究ほど、結果の信頼性が高い傾向があるそうです。
 一般に、無作為化比較試験が最も信頼性が高く、コホート研究がそれに次ぐようです。

◆コレステロールの目標量

平成27年度から、5年間使用される
「日本人の食事摂取基準2015年版」が発表されています。
これに関し、最近の新聞では、
“コレステロールの目標量が撤廃された!”と
話題にされていました。
これまで、食事からのコレステロールの目標量は、
成人の男は750ミリグラム、女は600ミリグラムとしていたが、
この目標がなくなったというわけです。
(何を食べてもいいと、喜んでいるみたいに思えた)

厚生労働省による説明の抜粋
目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。
コレステロールは体内で合成できる脂質であり、体重50kgの人で600~650mg/日 生産されている。
食事性コレステロールは、体内で作られるコレステロールの1/3 ~ 1/7を占めるに過ぎない。
コレステロールは、動物性たんぱく質が多く含まれる食品に含まれるため、コレステロール摂取量を制限するとたんぱく質不足を生じ、特に高齢者において、低栄養を生じる可能性があるので、注意が必要である。
LDLコレステロール高値は動脈硬化症の原因になるため、一定の範囲にしておくことは非常に重要である。

※厚労省の説明を読むと、コレステロールと病気の関連を調べるのに、卵を使うことが多いらしいです。卵の摂取量を減らすと良い結果が出た、という研究もあるが、栄養的には優れているので、やはり卵は食べた方が良いと、判断したみたいです。


体内での合成
体に必要なコレステロールの多くは、主に肝臓で、下の図のように合成されます。
食事からの摂取量が多いと、律速酵素の働きで、体内での合成量が減るように調節されています。

コレステロール基準値

◆たけのこ

近所の農家に、筍が並ぶ季節です。
糠(ぬか)付きで3本500円、皮を取ったらかなり小さくなったが、
やはり美味。

たけのこ300












筍農家400


<筍のNutrition >

▼100g で 26 Kcal
▼グルタミン酸やアスパラギン酸、チロシンなどのアミノ酸が多いです。
タケノコの切り口にある白い粒は、このチロシンという物質なので、
取り除かない方がいいらしいです。

米ぬかでゆでる理由
えぐみの成分であるシュウ酸がぬかに移行し、えぐみをおさえる。
ぬかのでんぷん粒子が筍の表面を包み、酸化を防止する。
ぬかの酵素が、筍の繊維をやわらかくする。

などの効果があるそうです。
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